感想
金言が多かった本書。精神科医として長年いろいろな苦労をされて多くの人と接し、高齢になっても人から頼られる先生の言葉には深みを感じる。
人生肩肘張らずにぼちぼち生きていきましょうといったスタンスで、人生一大事と重く受け止めてしまいがちな考え方にぼちぼちでもいいよと諭してくれます。
自分には、もっと努力が必要だといった焦りなどがあったけど、「安全に眠れてお腹いっぱい食べられるなら、仕事も家庭も、ほどほどに力まず子供と笑顔で暮らしましょう」といった姿勢に心が軽くなった。
自分は「何が得意で何が苦手」か「何が好きで何が嫌いか」など、ストレスを見極めながらうまいこと避けて「好き」を集めましょう。欲は横に置いておいて。
今現在に意識のスポットを当てて、「人には感謝と笑顔を持って優しく接しすること」を意識したいと思う。
以下抜粋
- 仕事は生きるためでオッケー。やりがいとか成長よりも日々ぼちぼち
- 仕事はやらないよりはやるほうがマシかな位のモチベーション。例えば家事のように。生活のためにやっている
- 幸せでなければいけないと思わない方が幸せ
- あきらめる=物事を明らかにする
- 結局どこに行っても一緒だから、大事なのは今いる場所でどうしたら己が快適に過ごせるのかを中心に考える
- 合わない人や嫌な人には意識をできるだけ向けないで、「楽しい人・馬の合う人」に意識と時間をできるだけ向ける
- 人間関係は水物
- 家族がいても自分は結局1人なんだと開き直っていくと、他人に対して必要以上に執着しなくなってくる。そうすると不思議なことに身軽に動きやすくなってくる。来るものは感謝していただく、去るものは追わない
- そもそも、人に何かしてもらうのが当然だと考えていると感謝の気持ちを忘れてしまう。これくらいはやってもらって当たり前と言う感覚は、人間関係がうまくいかなくなる大きな要因の1つ。でも何かをしてくれることを当たり前でないと考えて生活できると、ちょっとしたことにも感謝できるようになる
- 人に頼むときは、「忙しい時に悪いな今ちょっといいかな?」と相手の都合を尋ねる
- やってもらえるか?どう思う?って、相手に常に意見や意思を尋ねながら一緒に考えて決めるとうまくいく
- じゃあ人様に不満を持たないためにはどうするか。「多くを望まないこと」です。
- 「チャンス」は偶然の中でしか生まれない。ポンと背中を押されたら流れに身を任せてみる。良い流れが来ているときは不思議と周りの人も圧倒してくれることが多い
- 自分と同じところまで降りてきてくれて、話を聞いてもらえるだけで人はちょっと楽になるんです。変に同情する必要はありません
- 媚びろと言うわけではなく頼まれたら自分にできる事は部屋で気持ちよくやってあげる。できない事はごめんなど丁寧に断る。まずは何でも受けもう精神で
- 「小さな親切」はケチケチせんで、どんどんやってあげたほうええ
- 自分の手が空いていたら、「何かついでにやっておくことあったらするね」と声をかけてみたりして
- とにかく己の方が偉いんやと言う我はできるだけ捨てたほうがいい。自分も楽やし周りの人も楽。仲良くする人が好き嫌いで選べばいい。損得勘定で付き合うと良いようにされるか孤独に悩むか
- ちくっと嫌なこと言われた時は、「あの人家で何か嫌なことがあったんやろな」位に思って、都合よく軽く受け止めるというのがええんやろうね
- 「自分の何がいけなかったんだろう」「どんなどうしてそんなこと言われたんだろう」とか、そんなふうに何でもかんでも重く受け止めてしまうとしんどいだけ
- 自分に非がある時は「確かにそうだなぁ」と直してみようとすればええ
- 人が人を注意したり、怒ったりする時なんていうのは大体身勝手なもんです
- 自らが存在しているだけで、他の人を和ませる包容力のある人間になれ
- 人の意見に耳を傾ける事は大事だけど、それは人に振り回されることとは全く別の話。心に正直に
- うまくいかないから頑張ろうじゃなくて、「うまくいかないけどまぁボチボチやりましょう」くらいの気概でえーと思いますな
- 夜の仕事はよく眠ること。仕事の事は一切考えない
- 自信はあるかないかで言ったらよくわかりません!笑。できることもあるけどできないこともある
- だから大事な事は自信をつけることよりも、自分の性格だったり好き嫌いだったりをちゃんと把握しておくことじゃないかしら
- うじうじとあれこれ考えないようにするには「暇を作らないこと」に限ります。日にち薬。元気で生きていられる時間は限られているんだから過去のために使ったらあきません
- なんでもほどほど。ご飯の量も野菜の量もお酒もほどほど。ほどほどにしていると不思議なもんでもっと食べたいもっと飲みたいと言う欲求もわかなくなります
- なぜ「理想通りでないといけないんやろうか?」「それは誰のためなんやろか?」中途半端でええんですよ
- 完璧を目指して挫折するよりも、不細工な形でも続けていくことの方が大事なんじゃないかと思います
- 理想だけ高くしてアレができないコレができないと悩むよりも、親がニコニコ笑って機嫌よく子供のそばにいてあげる方がよっぽど子供の成長には大切なことです
- 人生に辛抱はつきもの。できるだけ避けたいけどどうなるか分かりません。そう考えたら辛抱をしない方法ではなくて、同じ辛抱でもいかに楽にできるかを考えるのがオススメ
- 心から子供の幸せのために、親が真剣に考えて行動しているかどうか
- 1人で死のうが病院で死のうが、人間らしく穏やかに死ねたらそれで十分やと思います
- 子供の心の安定をいちばん大事にすること
- 日々たんたんと生きる
- 人生のほとんどの問題はきっとなんとかなる
- お腹いっぱいに食べられて、安全に眠れて、最低限の生活をしていける仕事があるんだったら大丈夫
- 孤独でも、人と良い距離感を保てていれば悪いものではない。恐れるあまり、他人に過度に妥協したり迎合したりするのが良くない
- そんなにすぐに結果は出ない。焦る時ほど上や下、過去や未来ではなく、今この瞬間を大切にする
- 子どもは、親が愛情を十分に与えてやったら自然に独り立ちして離れていくよ。だからそれまではできるだけ子どもの幸せ中心の方がええ。自分の成長は後回しでも
- はなばなしい成功や活躍せずとも、一隅を照らす存在になればよし。職場でも家庭でも自分の周りにいる人に温かい光をささやかでも送れればそれでええやないか。無理がない範囲で
- 大事なのは、自分は何者なんやときちっと向き合ってみると言うことやという事かもしれません。明確にこれをしたいと早い段階で決まる人生もある。なかなか芽が出ない大器晩成型の人生もある。また人から見れば平々凡々と言われるような人生もある
あらすじ
現在89歳、キャリア70年を誇る精神科医・中村恒子
今なお現役で患者と向かい合うのは、「求められているから」
彼女の言葉には余計な力が入っておらず、それでいて愛にあふれ、出会った人すべてを元気にする不思議な力が宿っている。
そんな恒子先生の生き方を、同じく精神科医にして作家の奥田弘美氏が聞き書き。
関西弁のやさしい語り口で、人生を「うまいことやる」方法を教えます。
ポチップ
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